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上谷さくら
弁護士
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「グルーミング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
元々は、動物の「毛づくろい」を意味する英語です。
しかし、法律や心理の世界では「若者を性的に手なずける行為」という意味で使われます。
「性的グルーミング」と呼ばれることが多いです。「性的グルーミング」が行われ、若者がそのまま性被害に遭ってしまう事件が増えています。
特に、小学生からスマホを持つ人が増え、SNSが発達するにつれて、被害者の低年齢化が進み、SNSがらみの事件が爆発的に増えているのです。そのような被害を防ぐため、2023年に「面会要求等罪」という新しい犯罪が刑法で定められました。
16歳未満の若者に対して、わいせつ目的で、嘘をついたり、脅したり、お金などの利益を与える約束をして会うことを要求したり、実際に会ったりした場合、まだわいせつ行為が行われていなくても犯罪が成立します。
例えば、わいせつ目的で「家出したいのだったら、うちに泊めてあげるから会おうよ」などと16歳未満の若者を誘い出す場合などです。大人から怖いことを言われたり、優しい言葉をかけられたりして会ってみようと思うことはあるかもしれません。
悩みを抱えている時に親身になって話を聞いてくれる大人は、頼りがいがあるでしょう。
「私を助けてくれるのはこの人しかいない」と感じるかもしれません。
ただ、その人は本当に信用していい人なのかどうか、一度立ち止まって考えてください。
「性的グルーミング」の可能性があります。
「信頼できる大人」は、SNSで出会って「2人で会おう」などとは言わないはずです。残念なことですが、若者をうまく手なずけて性的行為をしよう、と考える人が一定数います。
自分もそのターゲットになっているかもしれない、ということを少し意識してみてください。
そして、「性的グルーミング」について、友達と話したりして理解を深め、自分の身を守ってほしいと思います。
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染矢 明日香
セイシルアドバイザー/NPO法人ピルコン理事長
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グルーミングは、本来は「毛づくろい」の意味ですが、「性的手なづけ」とも言われます。
性的な目的のために子どもに優しく近づいて、性的な行為(オンライン上で写真や動画を送るなどの行為もふくむ)を求めることを指します。特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン調べによると、オンライン上で性的な画像や直接会うことを要求された経験がある若者は約8人に1人で、決して少なくありません。
グルーミングは、ネット上でつながった人から受けることも、学校や塾、習い事の先生、コーチ、近所の人といった身近な大人から受けることもあります。
子どもに人気だったり、大人から信頼される人も多く、周りの人も被害に気づきにくいのです。グルーミングの加害者は、子ども・若い人のさみしさや無知につけこみます。
そして、子ども・若い人たちに「自分が悪い」と思わせたり、孤立させたり、「周りにバレたら大変なことになる」などとおどしたりして、もっと要求がエスカレートしていくのです。グルーミングについて、知らない人もまだ多く、被害にあったときにグルーミングだと気づいて相談できる人が少ない現状があります。
また、女性だけではなく、男性が被害にあうこともあります。
被害にあう人が悪いわけでは絶対にありません。
信じた人があなたをグルーミングする人であっても、あなたの体はあなたのもので、あなたのせいではないのです。
今は被害者を守る法律があり、専門の相談機関があるので、もし少しでもおかしいなと思ったときやこまったときは、相談できることを知っておいてくださいね。
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モヤパン
性のモヤモヤから生まれた妖精
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グルーミングで被害にあった時は、警察または性暴力・性被害の相談窓口にも相談してみてね。
1件のコメントがあります
怖いので、気をつけたい。言われた事を安易に信じない様にしたいです。
2025.05.24 16:39